「今帰仁」――
はじめて見る方は、少し戸惑うかもしれませんね。
今帰仁(なきじん) と読みます。
沖縄本島北部、やんばるの豊かな自然に包まれた地名で
歴史と海と森が寄り添う美しい場所です。
漢字だけを見ると難しく感じますが
どこかやわらかく、優しい響きのある名前ですよね。
今帰仁といえば、世界遺産にも登録されている
今帰仁城跡 が有名です。
春には寒緋桜が咲き誇り、城壁と桜
そして青い海のコントラストはまさに絶景。
「なきじん」という音の響きには
どこか懐かしさや温もりが感じられ
訪れる人の心をふわっと和ませてくれます。
沖縄を旅する際は、ぜひ覚えてくださいね。
今帰仁(なきじん)――
読み方を知るだけで、少しだけ沖縄に近づいた気持ちになります。

🌸沖縄の春を告げる花「寒緋桜(カンヒザクラ)」とは
**寒緋桜(カンヒザクラ)**は
沖縄でいち早く春の訪れを知らせてくれる桜です。
本土で見られるソメイヨシノとはまったく異なる種類で
濃いピンク色と下向きに咲く花姿が特徴です。
🌺沖縄の冬に咲く桜
本州の桜は、卒業式や入学式と歩調を合わせるように
3月〜4月の春本番に花を咲かせますよね。
けれど沖縄では、桜の季節はひと足も、ふた足も早くやってきます。
沖縄で咲くのは、濃いピンク色が印象的な**寒緋桜(カンヒザクラ)**。
見頃は1月〜2月。まだ本州が冬の寒さに包まれている頃
沖縄ではひと足早い“春の便り”が届きます。
釣鐘のように下向きに咲く花びらは
可憐でありながらどこか力強く
青空によく映える深い緋色。
ひんやりとした冬の風の中で凛と咲く姿は
沖縄の冬ならではの美しい風景です。
ちょうどこの時期、沖縄では成人式のシーズン。
桜が咲く公園や城跡では
振袖やスーツに身を包んだ新成人たちが
満開の寒緋桜の下で写真を撮る光景があちらこちらで見られます。
濃いピンクの桜と色鮮やかな振袖のコントラストは本当に華やかで
まるで南国らしい祝福の演出のよう。
「冬に桜?」と驚く観光客の方も多いですが
これもまた沖縄の季節のリズム。
本州とは違う時間の流れを感じさせてくれます。
寒さの中でふわりと咲く沖縄の桜は
新しい門出を迎える若者たちを
やさしく、そして誇らしく見守っているようです。🌸
12月の後半やけのやわらかな陽射しの中
鮮やかな緋色の花が空に映える姿はとても印象的です。
沖縄ではこの時期に各地で桜まつりが開催され、特に有名なのが

- 今帰仁グスク桜まつり(今帰仁村)
- 名護さくら祭り(名護市)
- 八重岳の桜祭(本部町)
歴史ある城跡や山の斜面をピンク色に染める風景は
まさに南国ならではの春景色です。
🌸花の特徴
- 花色:濃いピンク〜緋色
- 咲き方:釣鐘状で下向きに咲く
- 花びら:やや厚みがあり、はっきりとした色合い
- 散り方:花びらがひらひら舞うのではなく、花ごとポトリと落ちる
この「花ごと落ちる姿」も、寒緋桜ならではの特徴です。

沖縄の自然とともに息づく、寒緋桜(カンヒザクラ)。
台湾や中国南部を原産とするこの桜は
温暖な気候を好みます。
そのため、亜熱帯の風が吹く沖縄の気候風土にとてもよくなじみ
北部やんばるの山々、公園、そして城跡など
さまざまな場所でその姿を見ることができます。
沖縄では、家庭の庭先やあたいぐゎー(家庭菜園)の端に
チョコンと植えられている光景も珍しくありません。
農作業の合間にふと見上げる桜。
お昼どき、縁側に腰かけてお弁当を広げながら眺める桜。
そんな日常のなかに、寒緋桜はそっと寄り添っています。
近年では、河川敷の景観づくりにも力が入れられ
各市町村の行政が植栽や遊歩道整備に取り組むなど
冬の観光資源としても大切に育まれています。
沖縄の桜は本土よりも早く
1月頃から咲き始めるため、「ひと足早い春」
を感じられる特別な存在でもあります。
冬の沖縄は、意外にも曇りがちな日が多く
空が灰色に染まることもしばしば。
それでも、寒緋桜はその灰色の空を背景に
凛とした濃い色を際立たせます。
どんな空の下でも、しっかりと花を咲かせるその姿は
静かで、力強く、そしてどこか誇らしげ。
沖縄の自然とともに生き
島の暮らしに溶け込みながら
季節の訪れを告げる寒緋桜。
それはただの花ではなく
冬の沖縄に灯る
小さな情熱のような存在なのです。
沖縄の桜は“上を見る”お花見
本土のように桜の下で宴会をする文化はあまりなく
山を歩きながら桜を見上げる「散策型のお花見」が主流。
濃いピンクが青空に映える景色は、まるで南国からの春のメッセージ。
沖縄の冬旅で出会える、特別な桜です🌸

今帰仁城桜祭りで感じる、濃いピンクの物語
沖縄の冬は、ただ静かに過ぎていく季節ではありません。
本州がまだ白い息を吐くころ
沖縄北部ではもう“春の足音”が聞こえはじめます。
その舞台となるのが、世界遺産にも登録されている
今帰仁城跡
そして毎年1月下旬から2月上旬にかけて開催される
**今帰仁グスク桜まつり**です。
2026年の「第19回今帰仁グスク桜まつり」は
1月31日(土)から2月8日(日)まで
世界遺産の今帰仁城跡で開催されます。
テーマは「琉球光響」で
幻想的な夜桜ライトアップ(18:00〜21:00)が最大の見どころです。
なだらかな石垣の曲線に沿って咲き誇る
濃いピンクの寒緋桜(カンヒザクラ)。
その景色は、本州の淡い桜とはまったく違う
力強く、情熱的な春。

今帰仁城跡に城内に咲く、やんばるの春色🌸
そ城内に、春の訪れをいち早く告げる桜が咲き誇り
城門から、正殿後土地まで続く石畳の道を歩くと
両脇から枝を伸ばした桜が頭上を包み込み
まるで桜のトンネルをくぐるような景色。
ゴツゴツとした歴史ある石垣と
やわらかく揺れる花びらの対比が美しく
時代を超えた春の共演を感じさせます。
三の郭から見下ろす景色もまた格別です。
城壁の曲線美と、濃いピンクの花々。
その向こうには、コバルトブルーの東シナ海。
石・花・海――三つの色が織りなすコントラストは
ここでしか見られない絶景です。

風が吹くと、花びらはひらひらと舞うのではなく
小さな鈴のように下向きに揺れます。
寒緋桜はうつむくように咲くため
見上げるよりも
少し目線を落として眺めると
花の内側までしっかり見えるのが特徴です。
歴史を刻んだ石垣に寄り添うように咲く桜。
かつてこの城で暮らした人々も
同じ春色を見上げたのでしょうか。
今帰仁城跡の桜は
ただ「きれい」なだけではありません。
琉球の歴史と、やんばるの自然
そして沖縄の早春の空気を
五感で感じさせてくれる、特別な桜なのです。
ゆっくり歩きながら
城と桜と海の景色を
ぜひ心に刻んでみてください。🌸
今帰仁城跡 ― 世界遺産
沖縄本島北部
やんばるの高台に静かにたたずむ今帰仁城跡。
城跡の頂から見渡せば
眼下には水平線まで続くコバルトブルーの海。
風に揺れる木々の音と
どこまでも広がる青のグラデーションが
訪れる人の心をやさしくほどいてくれます。
幾重にも連なる雄大な石垣は
ただの城跡ではありません。
そこには、琉球王国が誕生する以前
三山時代の北山王の拠点として
栄えた歴史が刻まれています。
高く積み上げられた石積みは
戦うためだけのものではなく
地域の人々や城に住む人たちの生活を守るため
自然の地形を巧みに生かした“共存の知恵”そのもの。
沖縄の夏の風物詩である巨大台風にも耐え
長い年月を経てもなお崩れることなく
今も威風堂々とその姿を保ち続けています。

積み上げられた城壁の上からそっと眼下を見下ろすと
そこには可憐な桜の木が凛と立ち
やわらかな花を咲かせていました。
石の重みと歴史を感じる城壁と
優しく揺れる桜の対比がとても美しく
思わず足を止めて見入ってしまう景色でした。
2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして
日本で11番目の世界文化遺産に登録されました。
それは単に古い建造物だからではなく
琉球独自の文化や信仰、そして日本本土や中国東南アジアとの
外交・交易で栄えた歴史的背景が高く評価されたからです。
当時は中国語に堪能な人材が商談や通訳など
多岐にわたる場面で活躍していたことも
歴史的に証明されています。
石垣に触れれば
遠い昔の人々の息づかいが聞こえてくるよう。
祈りの場であった御嶽(うたき)、王族が歩いたであろう道
海を見守り続けた城壁。城内には桜の木も植えられ
季節ごとに表情を変えます。
そのすべてが、私たちウチナーンチュの誇りであり
“世界の宝”です。

今帰仁城跡は、過去を学ぶ場所であると同時に
今を生きる私たちが自分のルーツを感じ直す場所。
青い海と石垣が織りなすこの景色は
きっとこれからも変わらぬ風とともに
未来へ語り継がれていくことでしょう。

アクセス
那覇空港から今帰仁城跡(世界遺産)までのアクセスについて
車(レンタカー)で行く場合の主要ルートを
2パターンでわかりやすくまとめました。
車での移動時間は交通状況にもよりますが
おおむね 約1時間40分〜2時間程度です。
アクセス① 許田IC〜旧国道58号線(名護パイナップルパーク経由)
- 沖縄自動車道に乗る
→ 豊見城・名嘉地ICから那覇IC方面に入り
沖縄自動車道を北上します。
- 許田IC(終点)で高速を降ります。
→ 北部(やんばる)方面へ進む出口です。 - そのまま国道58号線を北上(旧58号線)
→ 名護市街を通り過ぎる際
ナゴパイナップルパークなどの観光スポットも道沿いにあります。
→ 国道58号線のまま北上していきます。
- 今帰仁村方面へ右折
→ 名護からさらに北へ進み、今帰仁村の標識に従って一般道へ入ります。
続いて県道72号線・505号線などを通り今帰仁城跡へ。
アクセス② 新道路(名護東道路)〜数久田IC〜伊佐川IC 経由
- 那覇空港〜沖縄自動車道ルートは①と同様に進みます。
- 許田ICで高速を降りたあと、国道58号線ではなく
→ 名護東道路(名護バイパス/新道路)へ進入します。 - 伊佐川ICへ接続したら一般道へ
→ 伊佐川周辺で国道58号線や県道に戻る交差点があるので
そこからさらに北方面へ。
- 今帰仁村へ向かう
→ 県道71号線・505号線方面へ進み、今帰仁城跡へアクセスします。 - 📌 ポイント
このルートは名護市街の混雑を避けやすく
名護東道路・数久田・伊佐川といった
新道路系統を使うこと今帰仁村の湧川の海岸線を通り 右手に海を長めならのドライブ比較的スムーズに北上できます。
参考情報
那覇空港から今帰仁城跡までは 約90〜95km
車で 約1時間40分〜2時間 ほどの距離です(交通状況によって前後します)。
美ら海水族館からは車で約15分〜20分ほどで
途中観光も楽しめる立地です
沖縄で桜の咲くシーズンに北部へ向かうなら
私はぜひ旧国道58号線をのんびり走るルートをおすすめしたいです。
特に、名護パイナップルパークを経由する道は
どこか懐かしい沖縄の風景が色濃く残るコース。
国道沿いにぽつぽつと咲く寒緋桜を眺めながら
ゆったりと北上する時間は
それだけで小さな旅気分を味わえます。
観光でお越しの方には、ぜひ“下の道”を走ってほしい。
地元の商店、畑の向こうに広がる海、ゆるやかな坂道
観光バスでは見過ごしてしまうような
沖縄の日常の景色がそこにはあります。
スピードを出さず、窓を少し開けて
季節の空気を感じながらのドライブは格別です。
そして、夏場や時間を有効に使いたいときは
新ルートの利用もおすすめ。
スムーズに北上できるので
目的地までの移動がぐっと楽になります。
たとえば、世界遺産の今帰仁城跡や
海の絶景が広がる古宇利島を目指すなら
新しい道路を使えば時間短縮に。
限られた滞在時間の中でも
観光スポットを効率よく巡ることができるでしょう。
桜の季節は“景色を楽しむ旧道ドライブ”。
夏や時間優先なら“快適な新ルート”。
その時々の目的や気分に合わせて道を選ぶのも
沖縄旅の楽しみ方のひとつです。
同じ北部へ向かう道でも
選ぶルートで旅の表情はまったく変わります。
ぜひ、自分らしいドライブコースを見つけてみてくださいね。

今帰仁城跡 駐車場情報
今帰仁城跡エリアには
観光用の大きな駐車場が整備されており
南国の人気観光スポットへのアクセスがとても便利です。
🅿️ 駐車場のポイント
- 駐車場あり(無料):今帰仁城跡の専用駐車場は無料で利用できます
- 複数エリアの駐車場:第1〜第4まで複数の駐車ゾーンがあり
- 混雑時でも比較的停めやすい構造です。
- 所在地:沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊5101
- 各駐車場には、案内係の警備員さんが常駐しており
- 車の流れに合わせて丁寧に誘導してくれます。
- 混雑する時間帯でも、スムーズに空きスペースへ案内してくれるので安心です。
- 初めて訪れる方や観光でお越しの方でも、迷うことなく駐車できるのが嬉しいポイント。
利用時の注意
- 無料ですが混雑の可能性あり:特に桜の季節(1〜2月)や
- 連休・観光シーズンは早めの到着をおすすめします。
- 駐車場と城跡は道路を挟む構造:駐車後、横断の際は車道に注意してください。
今帰仁城跡 チケット売り場情報
沖縄本島北部・やんばるの高台に広がる世界遺産「今帰仁城跡」。
その入口にあるのが、**今帰仁城跡チケット売り場(券売所)**です。

チケット売り場の場所
チケット売り場は、城跡へ続く坂道を上がった正面入口手前
今帰仁村グスク交流センター内にあります。
中には展示スペースやお土産コーナーも併設されています。
※城跡へ入るには、ここで入場券の購入が必要です。
入場料金大人:1000円
- 中高生:500円
- 小学生以下:無料
営業時間
- 通常:8:00〜18:00(最終入場 17:30頃)
※季節によって変動あり
※桜まつり期間中は延長営業することもあります
混雑する時期
- 1月〜2月の今帰仁グスク桜まつり期間
- ゴールデンウィーク
- 夏休みシーズン
桜の時期は特に混み合うため、朝早めの来場がおすすめです。
お支払い方法のご案内
・現金でのお支払い
券売機が設置されていますので、そちらをご利用ください。
スムーズに購入できるので安心です。
・クレジットカードでのお支払い
専用窓口にて対応しています。(※対応状況は時期により変更となる場合があります)
また、携帯電話でのキャッシュレス決済にも対応。
混雑を避けられるよう配慮されており
気持ちよく利用できる体制が整っています。

チケット売り場には、小さなお土産テナントや屋台が並び
ふわりと甘い香りや香ばしい匂いが風に乗って漂っています。
棚には沖縄らしいお土産品がずらりと並び

色鮮やかなシーサーや紅型雑貨
ちんすこうなどが旅の思い出をそっと手招きしてくれます。

その横では、ひんやりとしたアイスやトロピカルドリンクも販売されていて
南国らしい雰囲気がいっぱい。
太陽の下で歩いたあとには、冷たい一杯がたまらなく恋しくなります。
さらに、屋台ではタコライスやタコスも提供されていて
近くに設置されたテーブルで楽しんでいる方の姿もありました。
青空の下、観光の合間にほっとひと息つく、そんな穏やかな時間が流れています

私はというと、1個120円のサーターアンダギー(紅芋味)を購入。
中のあんは紫色をした紅芋味
生地は外側がさくっと香ばしく、中はしっとりやわらか。
紅芋のやさしい甘みが口いっぱいに広がり、どこか懐かしく
ほっとする味わいでした。歩き疲れた体に
じんわりと染みわたるおやつ時間となりました。
🚻トイレのご案内(城内にはありません)
今帰仁城跡の城内にはトイレの設置がありません。
入場前にチケット売り場横のトイレで済ませておくのがおすすめです。
売り場付近のトイレはとても清潔に保たれていて
観光地とは思えないほど快適
さらに印象的なのが、天井部分にやさしく空間が設けられていること。
そこからふと見上げると、季節によっては桜が顔をのぞかせ
ほのかに差し込む光とともに春の気配を感じさせてくれます🌸
観光中は意外と歩く距離も長く、石段の上り下りもあります。
ゆっくり景色を楽しむためにも、入場前のひと準備を忘れずに。
ちょっとした気配りが、城跡散策をより快適な時間にしてくれます。

平郎門(へいろうもん)

今帰仁城跡の正門として知られる「平郎門(へいろうもん)」は
城内へ足を踏み入れる最初の関門。訪れる人を静かに迎えながらも
その堂々たる石造りの姿は、かつての時代の緊張感を今に伝えています。
この門の最大の特徴は
巨大な一枚岩をそのまま天井石として架けた豪快な構造。
分厚い石が頭上を覆い
まるで自然そのものが城を守っているかのような迫力があります。
また、敵の侵入を防ぐために設けられた“狭間(さま)”も確認でき
防御性の高さがうかがえます。
単なる出入口ではなく
戦いを想定した堅牢な造りが随所に感じられるのです。

平郎門をくぐると、視界がふっと開け
大隅(ウーシミ)や主郭へと続く空間が広がります。
外界と城内を分ける境界線――それがこの門。
石畳を一歩一歩踏みしめながら進むと
まるで数百年前の琉球の時代へと時間をさかのぼるような感覚に包まれます。
風が吹き抜けるたび、重厚な石壁に反響する静かな音。
平郎門は、歴史の入口であり、今帰仁城の誇りを象徴する存在なのです。
こちらでチケット売り場で購入した入場券を
門の手前にてスタッフの方に提示し、確認後に入場となります。
係員の方が一人ひとり丁寧に確認してくださるので
あらかじめチケットはすぐ取り出せるようご準備しておくとスムーズです。
混雑時は少し列ができることもありますが
その時間さえも城内への期待が高まるひととき。
チケット確認を終え、門をくぐった瞬間から
いよいよ歴史の舞台へと足を踏み入れることになります。
🌸石畳を包む、桜の回廊 ― 空を見上げるひととき
今帰仁城跡の正門である平郎門をくぐると
頂上の居住跡地・正殿へと続く石畳の坂道が静かに伸びています。
ゆるやかな上り坂の両脇には桜の木々が並び
枝を大きく広げながら頭上で重なり合う。

満開の季節には、その枝先に咲く濃い桃色の花々が空をやわらかく覆い
まるで桜のトンネルの中を歩いているかのような景色が広がります。
石畳を一段一段踏みしめながら、ふと立ち止まって見上げると
青空を背景に揺れる桜の花びら。

風が吹くたびに、はらはらと舞い落ちる花びらが光を受けてきらめき
時間がゆっくりと流れていくのを感じます。
階段では、上る人と下る人が静かにすれ違い
笑顔やカメラのシャッター音が交差します。

近年は海外から訪れる方々の姿も多く見られ
沖縄の桜が持つ独特の色合いや
城壁と花が織りなす風景に魅了されている様子が伝わってきます。
ひと昔前に比べると
訪れる人の数もぐっと増え
この桜の回廊は国境を越えて愛される場所となりました。
それでも、不思議と騒がしさはなく
見上げた先にあるのは
ただ静かに咲き誇る桜と、悠久の歴史を刻む石垣。
頭上いっぱいに広がる花のアーチを眺めていると
まるで過去と今がそっと重なり合う瞬間に立ち会っているような
そんな情緒に包まれます。

坂を上りきった頃には、心までほんのり桜色に染まっている――
この石畳の道は、ただの通り道ではなく
春という季節を五感で味わう特別な時間へと導いてくれる場所なのです。

祈りと緑に包まれる、主郭の静寂空間

城跡の頂上、主郭へと足を運ぶと
そこにはかつて正殿跡地があり
城主の居所や政庁として機能していた“城の心臓部”が広がっています。

石垣に囲まれたその空間は
参道に咲き誇るピンクの桜景色とは対照的。
視界は一転して深い緑に包まれ
空気までもがしっとりと落ち着きを帯びていきます。
ひときわ存在感を放つ大きなガジュマルの木は
長い年月を静かに見守ってきた証人のよう。
足元には南国特有の花々が彩りを添え
そのすぐそばには聖なる御嶽(ウガンジュ)がひっそりと佇んでいます。

まるでジブリ映画の世界に迷い込んだかのような
不思議で神秘的な空気感。
風の音さえやわらかく響くこの場所では
西域独特の物静かな時間がゆっくりと流れ
訪れる人の心をそっと整えてくれます。

※正殿跡地
城内のパワースポット ― ウガンジュとウガミ、私が感じた祈りの時間
今帰仁城跡の城内には、いくつものウガンジュ(御嶽)が静かに佇み
今も祈りの気配を宿しています。
ここから先は、私自身の体験をもとに綴ります。
母方が今帰仁村の出身で、祖母にまつわる事情から
ユタのおばさん、母
そして私の三人で城内のヒヌカン(火の神)を拝んだことがあります。
本来、今帰仁城のヒヌカンは一般の参拝対象ではありません。
しかし祖母の願いに関わる大切な拝みとして
国番(クニバン)であるヒヌカンへ幾度か手を合わせました。
信仰の上では、そこは神様が鎮まる聖地。
観光地として賑わう石畳の奥に、凛とした静寂が流れています。
通常の拝みでは線香に火を灯し
ウチカビを供えますが、国番やカーシン(井戸)での
祈りは作法が異なります。

線香には火をつけず、ウチカビとともに静かに備え
心で「ウサギル(拝む)」のです。
だからこそ、城内の御嶽には「ウチカビや線香はお持ち帰りください」
との注意書きがあります。

ここは願いを叶える場所というより
敬意を尽くし、そっと感謝を伝える場所。
あのとき感じた風の冷たさと胸の奥の温もりは
今も私の中で静かに息づいています。
ですから、このような聖地では
かつての王が祈りとともに行政を執り行っていました。
城や御嶽は、単なる政治の場ではなく
神と人とをつなぐ神聖な空間でもあったのです。
沖縄には「ウナイガミ」という言葉があります。
ウナイ(姉妹・女性たち)という意味を持ち
女性同士の深い結びつきや連帯を表す言葉です。
そこには、ただの家族関係を超えた
精神的な支え合いの力が込められています。
琉球王国の時代、王府のもとで各地の祭祀を司っていたのは
女性の神職者であるノロたちでした。
たとえば、首里王府が置かれていた首里城を中心に
王から任命されたノロが各村へと派遣され
地域ごとの御嶽や拝所で祈りを捧げました。
村々の豊年祭や航海安全、子孫繁栄の祈願など
暮らしに密着した行事の多くは
こうした女性たちの手によって取り仕切られていたのです。
政治を司る王と、祈りを司る女性たち。
その両輪によって、琉球の社会は静かに
そして力強く支えられていました。
つまり、沖縄の聖地は「権力の象徴」であると同時に
「女性の祈りの拠点」でもあったのです。
石垣や森の奥に立つと、いまもどこかに
そのウナイたちの気配が残っているように感じられるのは
きっとそのためなのでしょう。
ユタの言動
私たちが拝みをしたときのことです。
その場には、地域で信頼を集めるユタのおばさんがいてくださいました。
静かに目を閉じ、場の空気がすっと張りつめると
まるで見えない存在と向き合うかのように
神様とコンタクトを取っていきます。
やがて、ゆっくりと語られる言葉。
それはユタ個人の意見ではなく、「神の言葉」として
ユタを通して私たちに伝えられるものでした。
問いに対する答え。
今抱えている問題への示し。
どう動けばよいのかという具体的な道筋。
厳しい言葉もあれば、胸に沁みる優しい言葉もある。
けれどどれも、不思議と心の奥にまっすぐ届き
「ああ、そういうことだったのか」と腑に落ちる瞬間がありました。
拝みが終わったあとは、それで終わりではありません。
私たちは家に帰り、ヒノカン(火の神様)や仏壇の前に手を合わせます。
「今日、このようなお言葉をいただきました」と
きちんと報告をするのです。
沖縄では、ヒノカンは家を守る存在
仏壇はご先祖様とつながる大切な場所。
外でいただいた神様からの言葉を
家の神様・ご先祖様へも共有し、感謝とともに心を整える。
そうしてはじめて、一連の拝みが締めくくられるのだと感じています。
神様との対話は、特別な出来事であると同時に
日々の暮らしと地続きのもの。
家のヒノカンの火の前で手を合わせるその時間が
私たちにとっての本当の安心へとつながっていくのです。
ですから、ここは神聖な場所です。
大きな声は控え、子どもたちがはしゃぎ回らないようご配慮ください。
周囲の空気を感じながら、静かに
心を整えて行動していただけますようお願いいたします。
まとめ ― 今帰仁グスク桜まつり
今帰仁グスク桜まつりは、沖縄の早春を告げる風物詩。
2026年の「第19回今帰仁グスク桜まつり」は
1月31日(土)から2月8日(日)まで、世界遺産・今帰仁城跡にて開催されます。
今年のテーマは「琉球光響」。
最大の見どころは、18:00〜21:00に行われる幻想的な夜桜ライトアップ。
歴史ある石垣と寒緋桜が光に包まれる光景は
まるで時を超えた琉球の物語の中に入り込んだかのような美しさです。
アクセス情報(那覇空港から)
那覇空港から今帰仁城跡まで、車(レンタカー)でのアクセスは主に2ルートあります。
① 許田IC経由・旧国道58号線ルート
沖縄自動車道を利用し「許田IC」で降り、旧国道58号線を北上。
名護市街を抜けて今帰仁方面へ向かいます。
道中では海沿いの景色やローカルな街並みも楽しめ
のんびりドライブ派におすすめ。
② 名護東道路(数久田IC〜伊佐川IC)ルート
よりスムーズに移動したい方におすすめのルート。
名護東道路を利用することで渋滞回避が期待できます。
⏱ 所要時間:約1時間40分〜2時間
※交通状況により変動します。
入場料金
- 大人:1,000円
- 中高生:500円
- 小学生以下:無料
営業時間
- 通常:8:00〜18:00(最終入場 17:30頃)
※季節により変動あり - 桜まつり期間中は延長営業となる場合があります。
お支払い方法のご案内
● 現金でのお支払い
券売機が設置されていますので、そちらをご利用ください。
スムーズに購入でき、初めての方でも安心です。
● クレジットカードでのお支払い
専用窓口にて対応しています。
(※対応状況は時期により変更となる場合があります)
また、携帯電話でのキャッシュレス決済にも対応しています。
混雑を避けられるよう配慮されており、気持ちよく利用できる体制が整っています。
城内のパワースポット ― ウガンジュ巡り
今帰仁城跡は、ただの観光地ではありません。
かつて北山王が治めたこの城内には、今もなお祈りの気配が息づいています。
城内にはいくつもの**ウガンジュ(御嶽)**が点在し
琉球の信仰文化を感じられる神聖な空間となっています。
緑に包まれた静かな場所で、手を合わせ
風の音に耳を澄ませる時間は、心を整えるひととき。
訪れる際は、
・大声を出さない
・子どもが走り回らないよう配慮する
・写真撮影時もマナーを守る
など、聖地への敬意を忘れずに静かに巡りましょう。
歴史・自然・祈りが重なる場所。
今帰仁グスク桜まつりは、ただ桜を楽しむだけでなく
琉球の精神文化にも触れられる特別な時間を与えてくれます。
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